「ADHDの方は期日を守らない!」
そう思ったことがありますか?
あるいは、そう言われたことがありますか?
言い換えれば、「やる気がない」または、「やる気が起きない」という状態なのかもしれません。
では、なぜこうした状況になるのでしょうか?
この記事では、なぜADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder 注意欠如・多動症)は期日を守りにくかったり、やる気が起こりにくくなったりするのでしょうか?その対処法とは?という点について解説していきます。
目次
ADHD なぜやる気が起きないのか

ADHDの方が期日を守れなかったりする状態を見るとき、なぜ?と周りは思うかもしれません。
その理由についてはこちらの記事ADHD 無気力に見える本当の理由とはにまとめていますので、是非ご覧ください。
簡単に説明しますと、理由はADHDの特性にあります。
その特性に「集中力が続かず、課題などを途中でやめてしまう」「注意を持続することが難しいため、物事をやり遂げることができない」などがあります。
いわば、自分が興味が湧かない分野に関しては、退屈に感じ、たとえやり始めたとしてもすぐに飽きてしまい、やらなければいけないとわかっているのに先延ばしにしてしまうという傾向があるためです。
それが、期限が迫っていたとしても他のことをしてしまい、なかなか手をつけられない状態になってしまいます。
そうした状況を目の当たりにした周囲の人は、「だらしない」「やる気がなくてだらだらしている」と思いイライラしてしまうかもしれません。
しかし、実際は、脳の機能のアンバランスから、やる気スイッチがオンになりにくいというADHDの特性であり、決して怠けているわけではなく、本人も苦しんでいるのです。
ADHD やる気を起こさせるためのコツ
作業環境を整える

ADHDには「すぐに気が散ってしまう」という特性があります。
そのため、作業から脇道に逸れそうな誘惑物、たとえばネットやテレビなど逃げ道となりそうなものがある環境で作業するのではなく、必然的に作業をするしかない環境を作り出すことができます。
そのように、行動の選択肢を物理的に減らすことにより、脱線のきっかけを作り出さないようにします。
気が散らされたり、目移りしそうなものを最初から自分の前から除くことにより、作業環境を整えることができます。
最初に1を心がける
最初の取り掛かりが、難関という方が多いと思います。
その場合、最初の「1」を意識することです。
「1文字だけでもいいから書こう」「1分だけでいいからやろう」「1つだけやってみよう」など、最初の「1」を意識してみましょう。
取り掛かることができたなら、やりたくない事を先に終わらせた後のスッキリとした開放感をイメージしたり、実際味わってみることにより良い循環が生まれるかもしれません。
OHIOを取り入れる
OHIOとは、Only handle it once の頭文字をとったものです。
「1度触ったものはそこから手を離さず、その場で処理してしまう」という意味です。
これは、ADHDに限らず、他の人にも意識できる点かもしれません。
とかく、単純作業や自分の関心の湧かない分野に関しては先延ばししやすい傾向にあるADHDにとって、事務作業などはそうした対象になりやすいと言えます。
しかし、この「OHIO方式」をいわば自分のルールなどにすることにより、「手に持ったが最後、成し遂げよう」と自分に言い聞かせ、その場で片付けてしまうのです。
先延ばしにして「やらなければ、やらなければ」という思いで自分を消耗させるよりは、すぐ手をつけて終わらせた方が気持ちがずっと楽になります。
時間を細分化する
取り掛かりの1分ができたら、次は5分。
自分にとってこれくらいならできるという時間を心がけます。
あまりにハードルを高く設定してしまうと、またあの「退屈」がやってきます。
そうなる前に、30分たったら休憩を入れるなど、仕事に取り組む時間を細かく区切ることで、集中力が持続し、トータルで長時間できたことになります。
タイマーを使う

ADHDの方は、時間の見積もりが難しい場合があります。
そのため、タイマーなどを活用し、時間感覚を補うことができます。
集中力を持続させるためにも、スマホなどでタイマーをセットし、30分たったら休憩を入れるなど、あらかじめ決めておくことは良い方法です。
タイマーがなったら作業を一旦やめて意図的に短い休憩を挟みます。
休憩時間もタイマーを使いましょう。
永遠に休憩とならぬよう注意です。
作業を細分化する
作業を一気にやろうとすると、やる気が失せます。
ですから、細かく分けることにより、達成可能な目標を設定し、一つやったら、あるいは、ここまでやったら、休憩するなど作業するコツを取り入れましょう。
そうすることにより、心に余裕を持たせ最終的に、作業を確実に終わらせることができます。
独自の締め切りを設定する

ADHDの特性として「順序立てることが難しい」ことがあります。
そのため、作業全体を読み取り、どのように組み立てていくかということが苦手です。
結果として、仕事などの締め切り日や期日を守れなくなってしまうのです。
まずは、やるべき事をとりあえず全部書き出してみましょう。
そうすることにより、タスクを視覚化し、より明確なものにできます。
そして、期日を忘れてしまったり、守れなかったりする事を防ぐため、紙とペンを使って目につく場所に貼っておきましょう。
その際、実際の日付より早めに設定しておくなど、独自の締め切り日を設定しておきます。
そのように工夫するならば、不得意な分野を改善することができます。
自分にご褒美を与える
少しでもできた自分に褒め言葉を与えてください。
ADHDの方は、幼少期からその特性ゆえに、周囲から誤解され、厳しく叱責される機会が多かった方がほとんどです。
そのため、自己肯定感が低く自分に対してネガティヴな感情を抱きやすい傾向があります。
努力した自分、がんばった自分を受け入れましょう。
自分を褒め、励ましつつ、自分なりに諦めず少しずつ前に進むことにより、「すべき」ことが「したいこと」に変えるコツを掴み、生きずらさが軽減できるようになるのです。
ADHDやる気を起こさせるためのコツ まとめ
ADHD独特の特性自体を変えることはできないかもしれません。
しかし、ADHDの特徴や行動パターンをまず知ること、その特性に対する対処法を見つけ、工夫することにより、苦手なところを補うことができます。
また、今日成功しても、次の日うまくいくとは限りません。
その逆に、今日うまくいかなかったとしても、次の日うまくいくこともあります。
1日1日を工夫し、いわば「アメと鞭」で甘やかす事も、厳しすぎることもなくコントロールしながら、その人なりの上手に付き合っていく方法を見つけていきたいですね。
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