胃腸薬、頭痛薬、睡眠導入剤・・・
薬局に行けば必ず目立つところに置いてあるのではないでしょうか?
こうした薬が必要となってしまう主な原因、それは何でしょうか?
それは「ストレス」です。
”忍び寄る殺し屋”とも言われるこの見えない敵はじわりじわりと心身を蝕んでいきます。
この記事ではストレスが与える体の影響について解説していきます。
目次
ストレスが体に与える影響
ストレスを受けるとヒトの体はどのように反応しますか?
過剰なストレスが引き起こされると、本来ストレッサーの攻撃に対して体を防御するホルモンが過剰に分泌されます。
ストレスホルモンが過剰に分泌されバランスを崩すことによりさまざまなストレス疾患の原因となります。
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交感神経が活発になりストレスホルモンのアドレナリンの量が増えます。
心臓は「全身に血液を送り、特に重要な機関に血液を集中させなければ」と反応し鼓動が早まり、血管がさらに収縮したり拡張したりします。
肺は「多量の酸素を取り入れなければならない」と認識し呼吸が早まります。
胃は「食べ物の消化をしている場合ではない」という認識をして消化が悪くなります。
肝臓は 血糖値を上げるホルモンが分泌され糖と脂肪を血液中に放出します。
筋肉は「ダメージから身を守らなければ」と緊張します。
その結果、動悸、息切れ、過呼吸、高血圧、胃腸炎、糖尿病、肩こり、腰痛、などが症状として現れるのです。
また、絶えず強いストレスにさらされていると免疫システムにも影響を与え病気にかかりやすくなるという専門家もいます。
ストレス性胃腸炎 吐き気

ストレス性胃腸炎(神経性胃腸炎)とは、ストレスによって自律神経が乱れ、胃酸の分泌が過剰になり胃の粘膜に炎症が起こります。
その結果、みぞおちなどキリキリした胃の痛みや、吐き気、胃の運動機能が低下し胃もたれなどの不快感が現れます。
また、ストレスにより下痢、腹痛、といった過敏性腸症候群も引き起こされます。
症状が一時的で治る人もいれば、この症状が継続してしまう人もいます。
生活習慣の見直し
刺激物を避け、おかゆや雑炊など、よく煮込まれて消化しやすくなった食べ物を摂るようにしましょう。
鍋、煮物など、油を使わずよく加熱されたものも胃に優しいのでオススメです。
また、気分転換、適度な運動、十分な睡眠を取るように心がけます。
市販薬
近年では、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」という考えに基づきセルフメディケーションが推奨されています。
そのため、症状があくまでも軽いと思われる状態であるならば、薬局の薬剤師に相談のもと市販の薬で対処していくこともできます。
病院を受診する
市販薬を試してみても一向に改善されない状態が1、2週間続くなら早めに医療機関へ受診してください。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍など症状が悪化してしまうケースも考えられます。
医師に的確な診断、治療をしてもらうことが大切です。
胃はストレスに弱くデリケートな臓器と言われています。
ストレスの原因となっているそのものを取り除くことができるのが一番理想的ですが、そう簡単にいくものばかりではありません。
信頼できる友人に話すなどしてストレスを発散させたり専門家に相談することも大切です。
ストレス 耳鳴り・めまい

疲労やストレスが原因で、血管雑音と言われるザーザーという血流の音、スーハーという呼吸音が聞こえる場合があります。
まためまいや耳鳴りを伴うメニエール病も多忙や心労といったストレスの蓄積の影響が大きいとされています。
仕事や人間関係などによる精神的ストレスや、睡眠不足などの生活習慣、身体的ストレスが長く続くと、自律神経が乱れやすくなり耳鳴りが起こることがあります。
原因となるストレスに加え、耳鳴りやめまいといった症状がさらにストレスとなり、症状を悪化させる悪循環に陥ることがあります。
耳鳴りがあっても、楽しいことや何かに集中しているときなどには耳鳴りを意識しませんが、イライラしたり眠れないときには耳鳴りを強く感じてしまいます。
原因となるストレスに加え、耳鳴りやめまいといった症状がさらにストレスとなり、症状を悪化させる悪循環に陥ることがあるのです。
リラックスすることを心がける
心身の緊張が強いと、耳鳴りの症状をより強く感じやすくなります。
緊張を和らげる方法を学びましょう。
深呼吸をし、自分の時間を作るように心がけ、ストレスを溜め込まないようにすることは大切です。
趣味やスポーツも助けになるかもしれません。
十分な休息を取ることにより心と身体のバランスを整えるようにしましょう。
生活習慣の見直し
耳鳴りは疲れや寝不足といった生活習慣と大きな関わりがあるとされています。
不規則な生活習慣によって耳鳴りをさらに増強させることにならないよう生活習慣の見直しは大切と言えます。
日常生活では無理をせず規則正しい生活をすることを心がけましょう。
病院を受診する
耳鳴りやめまいが2週間以上続く場合は、自己判断せずに早急に病院へ受診することをお勧めします。
耳鳴りも早期発見、早期治療が大切だからです。
発症から2週間以内に治療することが大事だと言われています。
1か月以上が経ったら症状は慢性期に入り、治療が厄介になるからです。
耳鼻咽喉科などを受診し医師の診察を受け、適切な治療を受ける必要があります。
ストレス 蕁麻疹

ストレスや疲労が溜まっていたりすると、体の免疫力は低下します。
免疫力が低下すると外部からの刺激に対する抵抗力が弱まり、アレルギー反応が起きやすく、蕁麻疹も誘発されやすくなります。
ですからストレスや疲労自体が蕁麻疹の直接的な原因になるわけではありませんが、蕁麻疹が出やすい状態を作り出してしまうということです。
また、ストレスにより蕁麻疹をさらに悪化させることが多いようです。
ですから、蕁麻疹が出たり、治まっていた蕁麻疹が再び悪くなったなら、ストレスに対する体からのサインだと思い、生活を振り返ってみることは大切なことです。
ストレス まとめ
ストレスは心や体の病気に大きく影響します。
ストレスを放置してしまうと大きな病気を誘発する可能性があります。
ストレスが原因で起こる心や体の病気を予防する観点から、自分の体でストレスの影響を受けやすい部分を知り、自分の体の健康を守ることが大切です。
しかしストレスにより引き起こされる高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、初期には自覚がなく症状が分かりにくいものもあります。
そのためにも定期的に健診を受診して、疾患を早期に発見することも重要と言えます。
また、注意しておきたい点として「気の持ちようだ」として楽観的な見方をしていれば病気は治るというものでもありません。
ストレスによる体の変化が気になったら医療機関に相談することも大切です。
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