「ADHD」
近年、この言葉をよくに耳にするのではないでしょうか?
この記事では、ADHDとは何か、特徴や周りの対応などについて解説していきます。
目次
ADHDとは
ADHDとは、Attention-deficit hyperactivity disorderの頭文字をとったものです。
日本語では、「注意欠如・多動症」のことを指します。
ADHDとは発達障害の一種で、「不注意」、「多動性・衝動性」を症状とする神経発達症、行動障害です。
年齢や発達に見合わない落ち着きのなさや「不注意さ」、好きなこと以外に興味や関心を示さず集中力が持続しない「多動性」、思いついたことを即座に行動してしまう「衝動性」といった問題が、生活や学業に悪影響を及ぼし、その状態が6ヶ月以上持続していることと定義されています。
以前は注意欠陥・多動性障害という診断名でしたが、2013年に「注意欠如・多動症」「注意欠如・多動性障害」に変更されました。
ADHD 原因
物事を整理整頓したり論理的に考え、また注意を持続させたり、行動などをコントロールする前頭葉がうまく働いていないのではないかと考えられています。
また、遺伝的要因や環境の影響も関連していると考えられていますが、まだはっきりとした原因がよくわかっていません。
そのため、子供の場合、育て方が原因だったり、しつけが悪いということではなく、いろんな要因が絡み合って症状が出ていると考えられます。
ADHD 症状

ADHDの主な症状としては、「不注意」「多動性・衝動性」が挙げられます。
多かれ少なかれ一般的にこのような特性はほとんどの人にみられるものですが、ADHDは、社会的、学業的、職業的活動といった日常生活に支障をきたし、他の人と比べ不注意によるミスなどが目立ちやすい状況です。
[不注意]
- 忘れ物や失くし物が多い
- 話しかけても聞いていないようにみえる
- 約束などを忘れてしまう
- 落ち着きがなく、すぐに気が散ってしまう
- 細かいことを見過ごしてしまう(ケアレスミスが多い)
- 集中力が続かず、課題や遊びなどを途中でやめてしまう
- 注意を持続することが難しいため、物事をやり遂げることができない
- 順序立てることや整理整頓ができない
- コツコツやること(勉強など)を避けたり、いやいや行う
- 授業中立ち歩く、または途中でどこかに行ってしまう
- ルールを守ることが難しい
[多動性・衝動性]
- 貧乏ゆすりなど絶えず手足をそわそわ動かしている
- 席についていられない
- じっとしていられない
- 静かにできない
- 不適切な状況で急に走り出す
- おしゃべりが過ぎる
- 質問が終わる前に答えてしまう
- 順番を待つことが難しく、抜かしてしまう
- 他人のしていることをさえぎってしまう
症状の現れ方によって、「不注意」の特徴が強く現れ「多動・衝動」の特徴があまり強くないタイプ、「多動・衝動」の特徴が強く現れ「不注意」の特徴があまり強くないタイプ、「不注意」と「多動性・衝動性」の特徴を併せ持つ混合タイプなどに分類されます。
ADHD 周りの対応

ADHDの特性により、集中することが難しかったり、忘れ物が多いなどがあり、周りから叱られることが多くなりがちです。
叱られることが増えていくと、自信を失い、追い詰められてしまうということもあるので、ADHDの特性を理解し接することが大切です。
本人は一生懸命に取り組んでいても、周りから見ると怠けている、すぐに物事を投げ出してしまうなどと思われることがあります。
しかし、症状の一つであり、反抗心などによるものではないことを覚えておきましょう。
問題をどのように捉えるかで影響が出てきます。
不注意や多動・衝動などが注目されやすいですが、意外に好きな分野また特異な分野では集中力を維持できたり、ミスも少ないことがあります。
また、独自の視点や豊かな発想を持つことでその才能を生かしたり、旺盛な好奇心や衝動性も適切な方向で発揮することで行動力につながるため、得意なところを伸ばせるようサポートしていくことも大切です。
ADHDは大人になってから診断がつく方もいらっしゃいます。
多くの方は子供の時から不注意や衝動、対人関係などで悩まれてきており、自分なりの対処の仕方を考え身に着けてこらた方もいます。
しかし、新しい社会環境などの変化により、今まで対処してきた工夫や対策といった方法を行ったとしても、不注意や衝動・対人関係の悩みが目立ったり、周りから指摘されやすくなったりなどして、心のバランスを崩しうつ病や不眠といった症状を併発しやすくなるリスクがあります。
生きずらさを感じ、苦しんでいる状況を周りが察知するなら、早めに専門家への相談や医療機関へ受診することをおすすめします。
ADHD まとめ
ADHDは患っている本人も苦しんでいる事、周りの人の理解、サポートが大きいことがわかります。
まずは、症状に対する理解、問題をどう捉えるか、長所を生かせるようサポートできるかが大切です。
自分たちでは、対処が難しく思える時は、専門家に頼りましょう。
そうすることにより、本人も周りもADHDの特徴、症状に振り回されるのではなく、上手に付き合っていくことができるようになるからです。
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