「HSP」
最近、テレビやメディアでも取り上げられ、広く知られるようになってきました。
あなたも耳にしたことがあるかもしれません。
では、「HSP」とは何のことでしょうか?
この記事では、HSP(Highly Sensitive Person)とは何か、その意味を簡潔に解説していきます。
目次
HSPとは 意味

HSPとは、英語の Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の頭文字から取られた言葉です。
直訳すると、
「Highly」 非常に
「Sensitive」敏感な 繊細な
「person」人
となります。
つまり、HSPとは、「非常に敏感で繊細な人」。
言い換えると「感受性が豊かで敏感な気質もった人」ということです。
HSPとは 誰が提唱?
1996年、アメリカの心理学者のエレイン・N・アーロン博士が提唱しました。
エイレン博士の著書「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。」(原題:The Highly Sensitive Person)という本によりHSPが世界中で認知されるようになりました。
この本は、100万部以上売れていて、22の言語に翻訳されています。
また、アーロン博士のドキュメンタリー映画「Sensitive: The Untold Story」も上映されました。
この映画は、ハーバード大学やスタンフォード大学など3000の大学が所蔵しており、非常に高く評価されています。
HSPとは 原因
アーロン博士によると、ストレスを処理する「扁桃体」が活発であるということです。
そのため、周囲の刺激に強く反応しやすく、不安や恐怖を感じやすくなります。
こうした性質は、環境や教育によって変わるものではありません。
生まれ持ったもの、つまり、生まれつきの気質、先天的なものなのです。
HSPとは 人口の割合
アーロン博士によると、人口の15%~20%の割合で見られるとのことです。
ですから約5人に1人がHSPと考えられます。
また、アーロン博士の研究により人種や性別・年齢などに関係なく、どの国の人でも一定の割合でHSPの方がいるということです。
HSPとは 特性

アーロン博士によると、HSPには「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特性をすべて満たすことが定義となっています。
「DOES(ダズ)」とは
「Depth of processing」 深く考えたり、処理する
「Overstimulation」 過剰に刺激を受けやすい
「Empathy and emotional responsiveness」感情の反応、共感力が高い
「Sensitivity to subtleties」ささいな刺激を察知しやすい
という頭文字をとったものです。
深く考えるため、シンプルなことでも深くさまざまな思考をめぐらします。
過剰に刺激を受けやすいため、人混みや大きな音などに動揺しがちです。
感情の反応、共感力が高いため、人のちょっとした仕草などに敏感で、機嫌を察知したり、人の感情に影響されやすくなります。
ささいな刺激を察知しやすいため、人が気づかないような音、匂い、光などにも反応します。
こうした、特性は感覚刺激に対する「繊細さ」がもとにあるようです。
HSPとは 気質

HSPは病気や発達障害ではなく、持って生まれた気質です。
HSPという言葉も、病名ではなく心理学的な概念として用いられています。
ですから、治療して治すものではありません。
しかし、そうした気質が引き金となり、ストレスからうつなどを引き起こす要因となることもあります。
まず、自分自身を正しく理解すること、そして周りにも理解してもらうことでストレスを軽減し長所を生かしていきたいものです。
HSPとは まとめ
HSPの気質により、苦しかったり、自分を変えなければと悩むこともあるかもしれません。
しかし、生まれ持った気質ゆえ、自分ではコントロールできない部分があることも事実です。
よく気づくこと、物事を深く捉えられることは、HSPの大きな長所ともいえます。
HSPだからこそできることもたくさんあります。
見過ごしがちな良い点に目を向け、自分をよく知り生活していきたいものですね。

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