「気が散りやすく、いつもそわそわし落ち着かない。考えるより先に行動してしまう」。
ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder 注意欠如・多動症)を抱える子ども達にとって、こうした特性が見られるかもしれません。
子どものADHDの特性とはどんなものがありますか?
周囲の関わり方はどのようにしていったら良いのでしょうか?
この記事では、こうした点について書いていきます。
-   
- 目次 - ADHDとは?注意欠如・多動症の特徴と周りの対応について- 「ADHD」 近年、この言葉をよくに耳にするのではないでしょうか? この記事では、ADHDとは何か、特徴や周りの対応などについて解説していきます。 目次 ADHDとは ADHDとは、Attention ... - 続きを見る 
子どものADHDとは

ADHDは,先天性の脳機能の障害から生じる発達障害の一種です。
ADHDには「不注意」「多動性・衝動性」といった特性があります。
子供の場合、どのように現れるでしょうか?
不注意
ADHDの子どもは、注意散漫になりやすく、どれに意識を集中したら良いかわからず、一つの事に意識を集中することができません。
また、物事を順序立てて、最後までやり通すことが難しい事も特徴です。
ケアレスミスが多くなりがちで、失くし物や忘れ物が多くなってしまいます。
多動性・衝動性
ADHDの子どもは、足や手など体のどこかを常に動かしており、じっと座っていることが難しいです。
思いついたらすぐ衝動的に行動してしまうため、後で困った事になってしまう場合があります。
子どもの成長段階でのADHDの特性

幼児期
生まれてすぐには、ADHDだと診断されることはありません。
しかし、夜泣きやかんしゃくなどで「寝付きが悪い」、「視線を合わせない」、「だっこされることを嫌がる」など、なんとなく育てにくさを感じます。
小学校入学まで(7歳まで)の幼少期にADHDの特性が現れる事が多いとされています。
我慢ができなかったり、順番やルールを守れない、じっとしていられないなどの多動性、衝動性が出てきます。
親や周りの大人が注意しても、変わりにくいです。
学童期
学校に通うようになると、授業中じっとしていられず、歩き回ってしまったり、忘れ物や失くし物が目立つようになってきます。
本人に悪気はないものの、突然話しかけたり、自分の気持ちを制御できないため衝動的に行動してしまい、友達との間でトラブルが生じやすくなります。
思春期
多動的なところは徐々に落ち着いてくるものの、不注意の特性が依然現れます。
成人
個人差はありますが、多動性はある程度落ち着く傾向があるようです。
しかし、不注意の面が目立つようになり、社会に出て仕事などで、ケアレスミスや時間に遅れるといった行動に現れやすくなります。
こちらの記事もご覧ください。
-   
- 大人のADHD その特性と対処法とは- 近年では、大人の方でADHD (Attenuation Deficit Hyperactivity Disorder 注意欠如・多動症)による生きずらさ、苦しさを経験されている方も多くいらっしゃいます ... - 続きを見る 
-   
- ADHD 職場での苦手な事への対処法- 「職場がギクシャクしていてなんとなく居心地が悪い」 そう思われることはありませんか? ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder 注意欠如・多動症)を抱 ... - 続きを見る 
子どもの成長段階でのADHDへの関わり方

幼児期
まだ幼いため、自分のことを理解したりする事が難しく、親が主体となって周囲に協力を求める必要があります。
親も、子どもがADHDの特性から困った行動をとった時に、本人は悪意があって同じ失敗を繰り返しているのではない事、本人もどうしたら良いかわからず困っている状況なのだということを覚えておくことは大切です。
ですから、注意する時も、感情的に怒ったり、人格を否定するような言い方を避け、穏やかで静かな口調を意識しましょう。
また、なるべく、他の子供達の目につかない所に移動して注意するなど、配慮を払う事により、本人が気まずさや恥ずかしさを感じさせないように尊厳を守ることは重要です。
本人がなぜできないのか理由を思い起こすようにし、エネルギーを有益な方向に向けるようにするなど、子どもの自尊心を傷つけないように気を付ける必要があります。
伝え方も、「ちゃんとして」などの抽象的な言い方ではなく、「何をどうするのか」具体的に、また、一度に一つの指示だけを与えるようにします。
そうする事により、情報を多く与えたり、本人が分からず混乱することを避け、理解しやすいように助ける事ができます。
学童期
成長するにつれて、徐々に自分のことがわかってくるようになり、他の友達との違いや自分の特性に気付くようになるかもしれません。
失敗体験や叱られる機会が増えると、「どうせ、自分はダメなんだ」。と成長段階で大切な自尊心が低くなってしまいがちです。
ですから、成功体験を積み上げたり、良いところをよく褒めたり、できた時にはご褒美を与えるなどして、その子の良いところを引き出し、自信をつけさせてあげることは大切です。
そのためには、援助する親がADHDの特性を良く知り、正しい情報とともに接していくことも重要なことと言えます。
また、成長と共に、親だけでなくADHDを抱える子どもも自分の特性を理解し向き合っていく事も必要です。
思春期
大人に向けて自分で対処していく事が大切になってきます。
親は、見守りつつも側面からサポートし援助していく事ができます。
子どものADHDを支える側のストレスにも気を付ける

ADHDを抱える子どもと接していると、叱りたくなくても、何度も叱らないといけなかったり、するかもしれもしれません。
しかし、ADHDは親のしつけが原因だったり、厳しく叱ったからといって、特性が改善されるものでもありません。
ですから、不必要に親の責任だと感じ、自分を責めたりストレスを溜め込まないようにしましょう。
悩んでしまったりした時は、医療機関や専門家に相談するなどして、支える側の気持ちを軽くする事ができます。
また、共に暮らす家族のストレスにも配慮を払う必要があります。
親はどうしてもADHDの子どもに手がかかるため、他の兄弟が構ってもらえず我慢している事があります。
いつも、そうした子どもたちにも関心を向け、ねぎらいケアしていくことも大切です。
子供のADHD まとめ
ADHDの子ども達は、わかっていてもできず、またコントロールできず、本人も苦しんでいる状態です。
ですから、決して怠けていたり、本人の努力不足でもないということを覚えておくことは大切です。
できない事に固執せず、得意なことを伸ばすように援助し、自信をつけられるように助けていきましょう。
気持ちが優しく思いやりのある子、人を気遣う事ができる子など、良いところに目ざとく褒めていきたいものです。
そうする事により、子ども自身の生きづらさを改善し、友達や周囲と良好な関係を築けるようにサポートしていきたいですね。
関連記事
あなたにオススメの記事






