「もうやめたいっ」
そう強く願いながら、なかなか辞めることができないストレスによる過食。
この記事では、ストレスによる神経性過食症やむちゃ食い障害について解説していきます。
目次
ストレスからくる神経性過食症とは

ストレスからくる神経性過食症とは 摂食障害の一つで、ストレスから食欲不振におちいる拒食症とは逆に、異常な食欲を抑えきれず、食べる物や量をコントロールできなくなり、我を忘れて一度に大量に食べたり、際限なく食べ続けたりします。
過食後に、なかったことにするため、早く体から出そうと、自分の指でのどを刺激して嘔吐したり、下剤などを使って排泄したりする行動をくり返します。
「食べ過ぎても吐ける」という意識から過食が習慣化していきます。
そういう自分に罪悪感と嫌悪感を抱き、うつ的な気分におちいり日常生活に支障が生じることがあります。
食べた分、吐いてしまうため外見では変わることがあまりなく、周りからは気づかれにくい場合があります。
神経性過食症とむちゃ食い障害の違いとは

むちゃ食い障害を抱える人は,過食症の人のように食欲のコントロールが効かなくなり大量の食物を摂取するという点では共通点があります。
しかし異なる点として,嘔吐や下剤を乱用するといった排出行動をしないことです。
一般的な太りたくないという気持ちがあっても、病的なまでに痩せることにこだわりません。
しかし、むちゃ食いをした後に絶食や激しい運動をする人もおり,そのようにして体重が維持されると,家族や友達は本人がこの障害を抱えていることに気づきにくくなります。
過食することに対する快感を脳で感じることで、依存性が生じ繰り返すようになります。
そのため過食症は、過食だけのときより、過食嘔吐になったときの方が間違いなく症状は悪化し、抜け出すのがとても大変になります。
たとえ排出行動を伴わなくても,むちゃ食いは危険です。
糖尿病,高血圧,心臓病など幾つもの疾患を引き起こしたり,感情面で大きな痛手を負うこともあるからです。
一般的な食べ過ぎと神経性過食症の違い

神経性過食症は、たまに食べ過ぎたり、ストレス解消のために好きなものを一時的にたくさん食べるといった一般的な食べ過ぎとは違います。
神経性過食症は、食事時間や空腹とは無関係で衝動的に大量に食べてしまい、自分で食べるスピード、量や内容をコントロールすることができません。
目の前に食べ物があると食べずにはいられなくなり、食べ尽くすまで食べてしまい、お腹が苦しくなっても止めることができません。
食べる量が異常だと悩み、過食している自分を見られたくないため人から隠れて食べてしまいます。
食べた後に自分を責め、無気力になり、うつ状態におちいります。
嫌悪感や罪悪感から精神的、肉体的な苦痛をともない生活に支障が出ます。
過食症の原因
ストレス
空腹だからというよりも,生活の中の圧力といった大きなストレスから逃れるための手段として、過食に走ることがあります。
食べると心は和らぎ,穏やかな気分になるので,孤独,不安,退屈,怒り,憂うつなどの感情や,拒絶された,裏切られたといった気持ちを紛らわすために誤用してしまいます。
ストレスを軽減させるために食べることにより自分をなだめます。
過度なダイエットの反動
過度なダイエットをしている場合、普通,甘い物などを控えます。
そうしたある意味“禁じられた”食物は、過度のダイエットをしている人にとって絶えざる誘惑になります。
怒りや心配や寂しさ、ストレスを感じると,気分を変えるために,自ら断っていたその食物に手が伸びてしまい、我慢していた反動で自制が効かなくなり、食べることにより自分をなだめるのです。
しかしその後、激しい嫌悪感と罪悪感に襲われ前よりもさらに厳しい食餌制限をします。
が,そのあとまた空虚感に見舞われ、反動で過食に走ってしまうという悪循環が起こります。
摂食障害は単にダイエットの失敗で済むものではなく、心身が疲弊し他の精神障害や異常行動を引き起こすことになるため大変危険です。
過食症がもたらす害

体の健康を害する
頻繁に吐くと唾液腺が腫れたり、胃酸で歯の表面が溶けたり食道が傷ついたりすることもあります。
排出行動をするために、下剤を乱用すると,腸壁を弱め,腸の炎症や感染症を起こしやすくなります。
嘔吐や下痢のため、脱水症になり、またカリウムが失われ、不整脈や心不全になる事もあります。
また、過食から糖尿病、高血圧など生活習慣病を誘発させることがあります。
精神的な害
悪循環から抜け出しにくいため自己嫌悪に陥りやすく、自分を責め、自尊心が持てません。
心配になったり憂うつになったりしがちのため、うつ状態になりやすいです。
経済的な害
食べ物のためにお金を費やしてしまうことにより、経済的に苦しくなります。
過食症の克服

自分が問題を抱えていることを認める
まず、自分が問題を抱えていることを認めることが克服への第一歩と言えます。
事実を認めるのは,時として恐怖に感じるかもしれませんが、自分の現状に気づき、認めることによって次のステップが見えてきます。
食べ物を鎮痛剤代わりにしない
多くの場合、過食症は緊張した時,寂しい時,がっかりした時などストレスが大きな原因となっています。
そのため、まず食物を鎮静剤のように用いたりしないという事です。
食べ物に依存するのではなく、ストレスやマイナスの感情に対処するようにしなければなりません。
助けを求める
自分独りで解決しようと孤立しない事です。
信頼できるだれかに話す必要があります。
回復するには,どうしても他の人からの支えが必要です。
摂食障害の専門医の援助が必要です。
重度になればなるほど難しくなるため、早期発見、早期治療がとても重要とされています。
安全に減量する
嘔吐や下剤といった方法ではなく、健全な方法で減量を心がけることができます。
朝食を抜かない、食前に毎回,水を大きなコップ1杯飲む、テレビを見ながら食べない、ゆっくり食べる、食べることに代わる健康的な活動を見つけるなど工夫することができます。
また、スナック菓子や油で揚げた食品などではなく、野菜や果物、ナッツ類など健康的な食品を適度な量、摂取するようにします。
他のところに注意を向ける
注意が食べ物の方に向くと、他のことには無関心になり、食べ物以外はどうでもよくなってしまう事も過食症の特徴です。
散歩に出かけたり,運動したり、趣味に取り組んだり,音楽を聞いたりもできます。
適度な有酸素運動も効果的です。
ストレス 過食へのまわりの助け
では、まわりは何ができるでしょうか?
過食症の人に過食を辞めるように促すのは問題の解決にはなりません。
問題の原因となっている,心の奥底にある感情的な不安に注意を向け,それを見分ける必要があります。
ただ良い意図で助けようとするだけでなく、過食症の人は隠そうとする傾向があるため、技術が求められます。
残念なことに過食症は自然に治ることはありません。
話しかけ,助けを差し伸べられるのが早ければ早いほど回復の見込みは高まります。
非常にデリケートな問題であるため、事前に話す事柄とタイミングを事前に考えておくことが必要です。
話しかけるときは率直ながらも、穏やかに、批判的にならないように気をつけましょう。
無理強いを避けましょう。
本人が心から納得しなければ事態は解決しないからです。
また、自分の感情や行動をコントロールすることができるという自信を持たせてあげることは大切です。
時として、取り乱したり、マイナスの感情や不満をぶつけてくる事もあるかもしれません。
そのような時、決めつけたり、苛立ったりするのではなく、感情移入し、よく傾聴することが求められます。
支える側にはあきらめない態度といった根気や忍耐が求められますが本人が安心感や愛を感じられるようになる時、感情的な支えを感じ、不健康な過食に訴えなくても良いんだと本人が感じられるようになるのです。
それでも事態が深刻であり、自分たちの手に負えないと判断する場合は、有能なカウンセラーや専門的な病院に受診する事が大切です。
ストレス 過食 まとめ
神経性過食症であろうと、むちゃ食い障害であろうと食べ物に対する病的な態度が関係していることが分かったのではないでしょうか。
その大元の原因はストレスです。
ストレスがどれだけ人を苦しめているかよく分かったのではないでしょうか?
吐くことで自分の体型などコントロールしていると思うかもしれません。
しかし、コントロールしているのいるのではなく、実際は食べ物にコントロールされているのです。
まず、問題を認識すること、隠すのではなく助けを求めること、そして回復できるという自信を持つこと、まわりの助けを得ることにより回復への一歩を踏み出せるのです。
ストレスの多い社会で生きる今、健全な方法で解消していきたいものですね。
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